たくさんのご馳走と、作った人の愛が詰まっている色とりどりのお弁当。
毎日蓋を開けるのを楽しみにしている人がいっぱいいるんだろうな。
特に子供が遠足や運動会の時に、家族に作ってもらえるお弁当は特別なものだと思うし、お弁当が待ち遠しいに違いない。
弁当事情
少し前までは、弁当と言えば冷めたままで食べるのが当たり前だった。
しかし、今やレンジの普及により、いつでも温かいお弁当が食べられるようになり、「冷めても不味くならない物を入れないと」
なんて、おかずにもさほど気を使わなくても済むようになった。
また駅弁などでは、簡単に温まる機能が付いている物もあるし、屋外の仕事でレンジがなくとも、高性能の保温ジャーがあるので、いつでもどこでも温かいお弁当が食べられるのだ。
茶色い弁当
自分が学生当時に、母が詰めてくれた弁当のおかずはというと、主に魚の煮つけ・豚肉の生姜焼き・煮物・その当時出始めた冷食のから揚げ。
そして、甘すぎたりしょっぱかったりと、毎日味の加減が違う卵焼きなどがメインだった。
それにひきかえ、周りの娘達の弁当はそれはもう華やかで、赤や黄色や緑が弁当箱の中に散らばっていて、おまけに違う容器にフルーツまで持ってきているときたもんだ。
ただし、茶色い弁当を毎日つくって作っていもらっている身分だったので、特に文句をいうことはなかた。
学校での昼食時、あまりに色の配分が違う弁当を目の当たりにして、自分の茶色い弁当に少し引け目を感じていた。
キャラ弁
弁当の完成度も年々と進化をとげ、キャラ弁や創作弁当がよく紹介されている。
あの芸術作品を、毎日作り上げるために早起きする親御さんたちには、ただただ感心するばかり。
しかし自分も、娘達が保育園へ行っていた頃は、のりをはさみで切っておにぎりに貼り付けて、アンパンマンキャラクターの顔を作っていたりと頑張っていた事もあった。
当時はそういうキャラ弁なるものは、自分の周りではほとんど存在していなかったため、保育園の先生方が珍しがって、娘のおにぎりの写真を撮っていたというのだから、自分がキャラ弁流行の走りという事でよろしいか?・・・
こちらは自分が作ったものではありません・・・
一本取られた弁当
完成度の高い弁当とは逆に、受け狙いか?
というくらいの手抜き弁当なるものも存在する。
もちろん食料調達困難な理由があっての事ではない、いわゆるお仕置き的なお弁当。
「ごはんとふりかけ」
「カップ焼きそばの中身をそのまま弁当箱へ」
「白いご飯とレトルト物」
などなど、見聞きしている分には笑えるが、いざ自分の弁当がそれだったらと思うと、胸中複雑である。
いざ自分の子供達には
自分の学生時代のように、弁当格差で恥ずかしい思いをさせないようにと、二人の娘達の弁当には多少気を使っていたが、二人とも見映えより味を取る方なので、それほど手間がかからなかった。
そして、今弁当作り真っ最中の方、
忙しい人の味方、冷凍食品もとても美味しくなった。
それをうまく使いつつ、
どんなものでもいいから一品くらいは手作りで。
子供にはやっぱりお家の人の手作りの味が、なんだかんだ言っていい。
食育がしっかりしてる家って、結局子供も立派に育ってる。
と言っても、決して高級な食材で時間をかけて調理、なんていう事ではない。
あくまでも、お家の人の手作りごはん。
結局、見た目が鮮やかな野菜も、アクセントにはありがたいが、味付けなしのままではご飯を掻き込める自信が自分にはない。
今思えばあの時の母ちゃんの弁当は、なんか見た目はイマイチだったけど、
うまかったもんなぁ。
やっぱり醤油主体の茶色い味付けが、日本人にはしっくりくるんだよな。
気取った色だけではご飯が食べられないという、それはそれで贅沢な話。