年頃の子供を持つ親御さんなら誰しも、『性』という何となくオブラートに包みたくなってしまうような問題に直面したことがあると思う。
かく言う自分だって、迷惑事から逃げてしまいがちという情けない性分で、何一つ?とまではいかないが、『性』に関しては、臭い物に蓋をするじゃないけれど、ほとんど子供達に教えてあげたことはないと記憶している。
日本人独特の奥ゆかしさというか、日和見主義的なものが邪魔をしているのも要因かもしれないが、日本は性教育が遅れている。テクノロジーや文化的なものは進んでいるのにも関わらず、残念ながら人間の基礎の部分の教育が、遅れすぎているのである。
その反面、調べれば何でも知ることのできる時代。
子供たちは二次元世界や実際にはありえないものと、現実の世界の区別が本当にできているのだろうか?
以下は、小学校から大学まで幅広い年代に性教育を行っている、助産師の桜井裕子さんの排卵についてのお話し。
さらに桜井さんは、排卵の仕組みについても言及。「排卵日は生理の2週間後って答える人が多いけど、通常排卵は生理の2週間前」と説明し、「エイプリルフールに妊娠したら出産予定日は12月23日。中絶を選ぶときは8月18日のお盆頃までしか受けられない」と話した。
また、12週以降の中絶は中期中絶に当たるため手術をし、入院や死産の届け出が必要になるという。「4月1日に性行為をしたら6月9日までの間に赤ちゃんをどうするか決めないといけない。それ以降は手続きや手術の大変さが増します」と話すと、生徒として登場した10代のゲストたちからは驚きの声があがった。
恥ずかしながら、一応女性である自分でさえ、ここまで明確に排卵という仕組みを説明しろと言われても出来ない。男性の身体についてだって、何となくぐらいで結局、たいして分かっていないのだ。
だから子供達にはなおさらで、これくらいのはっきりとしたことを伝えてあげなければ、現実の事として受け止められないと思う。
子供たちは大人びた素振りをしているけれど、実際のところはというと、中身はなんとなくの知識だけしか持っていなくて、まだまだ子供は子供のままなのだ。
しかし、親子間での話し合いはなかなか難しいだろうからここはひとつ、
学校という公の場で、医師なり助産師なり看護師なりの、しっかりと人間の身体について学んだ資格を持つ方を講師に招き、 教育してもらうべきなのだ。
いいことも、わるいこともすべて。
ということは、目をそらしたくなるような性病や中絶のことも、徹底的に教えてあげなければならない。
『むやみやたらに性行為をすれば、色々な病気になる確率が高い』
『エイズは不治の病だったが、現在はコントロールできるようになった。しかし完治はまだできないため、医療費だって一時的じゃないから物凄く高額になる』
『もし障害児が産まれたとしても育てきれるか?』
『誰にも内緒で一人で出産しても、そのあと大量出血したら、あなたも子供も命を落とすことになる』
『ファンタジー世界と現実の世界の人間の身体は、実際とかなり違う』
『避妊しないで性行為するのは、子供を望む時だけ』
・・・
とにかく、
「うるさかったから」「じゃまだったから」「言うことを聞かなかったから」
と、馬鹿親の子供虐待が確実になくなるように!
そして、生まれてくる命が絶対に尊重されるために、伝えなくてはならないことはきちんとしたタイミングで伝えなければならないのだ。
もちろん親子でフランクに話ができるに越したことはないが、目をそらしてはいけない大事な教育だということは間違いないので、早急に文部省や自治体の対応を望む。