人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている
伊集院静
『悩みなさそうでいいよねぇ~』
自分がこれまでの人生の中で、何度も言われたことのある言葉。
他人様の目には、よっぽど自分の姿が能天気に映っているんだろうな。
『あなたは、所構わず自分の感情を吐露出来ていいですよねぇ・・・』
言われた瞬間は、軽く『そお⁉』と一言でやり過ごしているが、時間が経過するごとに、「あかの他人の事情を大して分かりもしないくせに、よくそんな言葉を吐けるな」と腹が立ってくる。
でも、自分にとって唯一救いなのは、その言葉を投げかけてくる人物が、特にこの先も仲良くしていたいと思っている相手からじゃないから、大して堪えないということ。
ん?・・・撤回、やっぱりちょっと、いや、自分の事を何にも知らない相手に能天気だと言われるのは物凄く嫌だ。
どの口が言う⁉
少なくとも、事あるごとにブツブツねちねちと文句を垂れ流しできるあなたよりは、よっぽど我慢していると思うのだが・・・
おっと、いけない!
こんな発言をしていたら、自分だってブツブツねちねち組と何ら変わらなくなってしまう。
人間て、負の言葉を聞き続けていると、自然と気持ちが沈んできませんか?
もちろん、気心の知れた間柄だったら、ストレス発散の為に少しくらいの文句を言ったり聞いたりするのも悪くないと思うが、それが度を越して、せっかくの仲良しなのに顔を合わせるたびにネガティブな話ししかできなくなってしまったら、心のよりどころが無くなってしまうでしょ。
他人には自分の姿が幸せそうに映っているのか!
結局、悩みなさそうに見えているっていうことは、ブツブツねちねち組に羨ましがられているってことか!
( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
ただし、『幸せそう』という表現は30点だな。
どうせなら、『幸せだね!』がいい。
隣の芝生は青い
分かっちゃいるけれどもね。
【完璧を求めている・ストレスが溜まっている・自分に自信がない】人にはなおさら他人の芝生が青々と映るであろう。
が、人間って悪い部分は極力外に見せないようにと努力しているのも事実。
ましてや人にはそれぞれ、オンリーワンの物差しがあるから、物の見え方が違うのは当然。
【人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている】のだから、軽はずみな言葉には注意しようと再認識したのと同時に、自分は自分なのだと言い聞かせる努力をしている。