最近の風呂場の目地が気になる。
どうにか自分で手直し出来ないものかと。
ついでに風呂場の洗剤でも購入しようと、近所のホームセンターへ重い腰を上げて、行ってきた。
いざ店内へ。
しかし、あの空間に入ってしまうと、どれもこれも必要な物になってしまい、結局、当初の目的の物だけでは済まされなくなる。
「あー、ティッシュ安いや。」
「トイレットペーパー残り少なかったな。」
「そうだ、ハンガー壊れていたんだ。」
「また来るの面倒だから買っとこう。」
なんてやっていると、ショッピングカートがすぐに満杯になってしまう。
少し心を落ち着かせて、これは本当にわが家の必要としている物なのか?と自問自答してみる。立ち止まり、一点の空を見つめて考えている様は、「あの人はどうしちゃったんだろう?」と、思われているかもしれない。そして、ハッと我に帰り、また売り場をうろうろして、断捨離するの繰り返し。
そして、ある程度買い物が落ち着くと、決まって立ち寄るところはペットコーナー。
子犬や子猫で目尻の下がったところで、小動物コーナーへ足を踏み入れると…
団子状に固まっているハムスター。
寝床に頭だけを入れて寝ているハムの、小さい小さいしっぽがちょこんとしていて、「あ”〜かわええ。」思わず歯を食いしばってしまう。
後ろを振り返れば、赤ちゃんうさぎ。
「お前さんたちも、うちのに負けないくらいかわいいねぇ。」
うんうん。あっ、もう帰らなきゃ。
帰宅後すぐに、心の中で葛藤。
後にまわしたら、自分の事だ。絶対に面倒くさくてやらない。未来の自分のために、今頑張ろう。
ということで、靴下を脱ぎズボンの裾をまくり、いざ風呂場へ。
風呂場の目地の汚れている部分を少し削って、(これがなかなか剥がれない)紙テープみたいな物でマスキングして、コーキング剤をにゅっと塗っていくわけだが。
不器用な自分が、初めて挑むことに、書いてある通りにすらすら出来るわけがなかった。
コーキング材を塗るために、たった1メートルくらいの作業に、何時間かかったことか。
一定量塗れていないところは、マーキングを剥がした後だったけど、上から足しちゃったりしたからはみ出したりで、どうも見た目がよろしくない。まだ何ヶ所か手直ししなければならないのだが、もう心はポッキリと折れてしまった。
(やっぱり、短気の自分はこういうのだめなんだ。プロにやってもらいたい。)
「もう、や〜めた。」
本当は、1日くらい乾くのを待たなくてはならないようだが、その晩には風呂に入ってしまった。
ひと段落して、 夕飯をあげるためにうさぎ達の元へ。
『 あー、晴れた日にまた頑張らなくちゃ。結局今日1日じゃ済まなかったなぁ。』
ご飯を夢中になって食べているうさぎ達に呟いても、聞いてはもらえない。
でも、お父さんだけは、じっと自分の方を向いてちょこんと座っていた。
ケージから出てきてもらい、抱っこして撫でると、目をつぶって気持ちよさそうにしている。
『よし、またチャレンジだ。』
と少しだけ前向きな気持ちになれた。
本当に良い子(父)