「ぷぅ〜ん」寝静まった後に、耳障りなこの音。夏ですねぇ〜。
…って、ちっがぁ〜う!!
寝不足へと誘う、モスキート音。
「気にしない、気にしない。」耳元の音を、軽く手で振り払い、無かった事に。
うとうと…大した時間経っていない。あれっ?ピタッと音が鳴り止んだが気配を感じた。「んっ?まずいっ。」体をゴロゴロと寝返りさせた。
シーンと静寂が戻る。
うとうと…「ぷぅ〜ん」
『あ”〜〜〜っ‼︎』
万事休す。
我慢ならず起き上がり、去年使っていた液体蚊取りセットを探した。
「あった、あった。」
去年の物が、効果あるかどうかは分からないが、ないよりはマシだと、寝ぼけ眼でコンセントに差し込んだ。
『ふふ、これで終わりだな。』
そして無事翌朝を迎えました。なんてことになると、この記事も終わってしまうと蚊も分かっての事か、「ぷぅ~ん」
『おいっ‼︎』自分のこめかみを、〝バチーンッ〟
仕留められたかどうかは分からないが、我慢の限界。
部屋の電気をつけて、手のひらを見ても、それらしき後は残っていない。
仕留め損なったようだ。あぐらをかいて、目をつぶって、耳に神経を集中させる。
『そこかっ?!』思いっきり空をつかんだ。
しかそ、手のひらを広げても、何もない。
『なんてこった…』1センチにも満たない生物の、脅威にさらされている。
夜中の迷惑な手拍子。空振りばかりで、芯を得られない。
ガチャッ。部屋のドアが開いた。『なんだいっ?!どうしたんだいっ?!』
わが家の女帝(母)が現れた。
『いや、蚊が。』
『夜中にバカみたいに騒がしいねっ!なんだいっ、そんな事で。』
バタンッ‼︎
『だってぇ〜、蚊がぁ…』
科学の力を信じて、静かに眠る事に専念した。
が、結局睡眠不足のまま、朝になってしまった。まだ5時かぁ。今日が休日だったらいいのにな。
「散々だったな…」 左手首・左手・右手・左すね。
昨晩の戦いによる、紅い勲章がついていた。
あー、かゆい。あんまり掻きむしると茶色くシミになっちゃうんだよな。年々それもなかなか消えないし。でも、これを仕事前に書けたのが唯一の救い。
お前さん達は蚊に刺されないのかね?