これががんを患う妻を持つ夫の言葉だろうか。市川海老蔵が乳がん闘病中の妻・小林麻央に関して語った言葉が、あまりに無神経だと炎上している。これは1月9日放送の特番「市川海老蔵に、ござりまする。」(日本テレビ系)にて飛び出たもの。がん患者との交流を持つ医療系ライターが憤慨した様子で語る。
「海老蔵さんは昨年10月に、麻央さんについて『早かったら3、4、5月で、今年の夏は絶対無理だと思った』と語っていた。しかし、こういった表現は完治したか、もしくは亡くなった方について語るときの言葉でしょう。麻央さんがいま現在も死の恐怖に立ち向かっていることを海老蔵さんは自覚しているのか、はなはだ疑問ですね」
海老蔵は夏を越えて闘病を続ける小林について「すごいことが起こってる」とも語っていた。これらの言葉から小林の身に起こっている“奇跡”を強調したかったようだが、その発想自体に当事者感がこもっていないという。
「患者にとっても身内にとっても望むのは常に“完治”のはず。しかし海老蔵さんの言葉は、“延命していること自体が奇跡”だと言っているのも同然です。しかもテレビで発言したら麻央さんに伝わるのは確実。それとも海老蔵さんは同じ言葉を、麻央さんに直接伝えたりできるのでしょうか?」(前出・医療系ライター)
身内であれば患者に対して「必ず治るよ」と声をかけるもの。それとも海老蔵はもしや「次の夏も越せるよ」とでも語っているのだろうか。
身内であれば患者に対して「必ず治るよ」と声をかけるもの。
おいおいおいおい。
ツッコミが止まらない。そうじゃないだろ。
「必ず治るよ。」
本来、そんな気休めの言葉を、重病人に簡単にかけられるわけないでしょう。
そもそも、患者本人が身にしみてよく分かっている。
それに今時は、よっぽどの家族や本人の希望がない限り、本人の治療に対する理解や不安を少しでもなくすために、告知することが多いらしい。
ただし、現実とあまりにもかけ離れている励ましはどうかと思うが、落ち込みがちな患者さんに、前向きな言葉をかけてあげる事は良いのではないか。
周りの言葉を聞いて、少しでも励みになれば、身体の回復力も僅かながらでも上がるかもしれない。
患者にとっても身内にとっても望むのは常に“完治”なはず。
当たり前でしょ、そんなの。
普通の人間なら誰だってそう思うよ。
ただし、不治の病を患った人は、もちろん完治を望んでいると思うが、一日一日と体調の変化を感じながら、徐々に望みが薄れていく事に、計り知れない感情を抱くに違いない。
そして、それを目の当たりにする家族。
ネットやテレビで取り上げられた良かれと思う事は、何でも試してあげたいだろうし、「今日はなくとも明日にはどこかの大天才が、凄い薬を作ってくれるんじゃないか?・何でも治す装置が発明されるんじゃないか?」と、淡い期待を抱きつつ、それを折れそうな心の支えとしている。
とにかく、そこの家族でもなんでもない人間が、とやかく言うもんじゃない。
そもそも今回の件だって、麻央さんがどう思っているか分からない。
これを聞いて、「あぁ、旦那らしい。」と思えばそれまでなのだ。
海老蔵さんが麻央さんに対して表向きなだけの愛情だったら、子供達はあれほどまでに海老蔵さんになつかないだろう。
あんな幼い子達だって、お母さんを気遣って我慢している面がたくさんあるのだから。
そんな時にお父さんの悪口まで聞こえてしまったら、小さい心がどんなになってしまうか。
いいんだよ、夫婦の間で問題ないのなら。
我々がとやかく批判している場合ではない。
これほどまでに、女性が乳がんに対する意識を強く持たせてくれた麻央さんに、『どうか治ってください。』と願っていればいい。
人の良くないうわさや、負の感情は悪いものを生む。
応援したい人は麻央さんの家族の批判はやめて、プラスの念を込めて声援を送ろう。