「僕らがあやすわけにいかんのだから」
「新幹線の中で、楽しいんでしょうけど、子供が泣いたら抱っこしてデッキぐらい行ったらいいじゃないですか。トイレでも(フタを)閉めとけば、ちゃんと便器に座れるんだから。そこでちょっとでもあやしてくれたらいいのに、それをしようとしませんもんね。泣くのは子どもの性(さが)というか。そうじゃないもん、周りは」
「子どもは泣くのが仕事」とはよく言うが、狭い新幹線内において、周囲の乗客が皆そのように受け止めるとは限らない。であるからこそ、親は周囲に配慮して泣き出した子どもを連れてデッキ等に移動すべき...という主張のようだ。
板東さんは
「僕らが言うと(親は)『何だ!』っていうことになりますからね」
「泣いてるんだから。僕らがあやすわけにいかんのだから、ご両親が何とかしてもらわないと!」
とも続け、親の自主的な対応を求めた。
2007年3月21日、板東英二さんが出演した番組内での発言。
この記事に対する意見で、まず最初の分岐点になるのは自身に子供がいるかいないかだろう。
そして、子供がいる人は誰しも一度や二度、泣き止まぬ子に対して困り果てた経験があると思う。
思い起こせば自分なんかは、泣きわめく子供が具合が悪くて泣いているんじゃないと分かった時点で「どうぞお好きなだけ」と放置することも度々あった。
ただし、これは自宅だけでの話し。
だってあれだけの凄まじい金切り声でわめかれたら、実の親だって参ってしまうのに、赤の他人がそれを聞くということは、物凄く耐え難いことだろうなと容易に想像できたから。
よって自分の意見としては、泣いている子供を平気で放っておくのは良くないと思う。
子供はただの駄々をこねているだけなのかもしれないが、それを家にいる感覚で無視されてしまっては、見ている・聞かされているこちらが忍びない。
そして、泣き止まぬ子に明らかにイライラして、無視しているだけの放置状態も見られる時がある。
ましてや、親の付き合いで連れてこられていて飽きがきてしまった子に対し、親がキレているシーンもよく見かける。
冷静になって考えてみよう。
少なくとも泣き止まない相手は、親のあなたよりも人生経験が数段に少ない未熟な子供である。
そしてその周囲には、泣きわめいている気の毒な子供の声を聞き続けなければならない者達がいる。
泣き狂っている子供の横で、何食わぬ顔をしてスマホをいじっている親らしき人。
よっぽどその子の元に行って一所懸命あやしたいところだが、それをしたところで今度はこちらの身が危なかったりする可能性も無きにしも非ず。
悲しい今の世の中。
小さい子供が泣くという行為は、まだ言葉では自分の感情をうまく表現できないが為に泣いて訴えるという訳だから、その要求は決して無視してはならないのは言うまでもない。
しかし忙しい毎日、子供に付きっ切りでいられるのも限りがあるので、うまく子供の泣きっぷりに付き合わなければならないのである。
赤の他人が赤の他人の子を気の毒に思い、世話を焼くことが難しい今の時代だからこそ、お父さん・お母さんにきちんと子供の相手をしてもらいたい。
そして、見ず知らずの子が泣いていることを気の毒に思い、
「まだ泣き止まないのか?どこか痛いんじゃないか?喉が渇いたんじゃないか?眠いんじゃないか?親は何やっているんだ?」
と内心ソワソワしているおばさんがいるということも分かってほしい。