2016年8月8日に天皇陛下が御自身のお気持ちを表明された。
陛下がお望みならば、早く叶えてさしあげることで、今までの陛下の激務に対する感謝の意を表す形になると思うのだが。
しかし、これはあくまでも知識のない自論であって、そう簡単にはいかないらしい・・・
なぜ簡単に退位できないのか?
【皇室典範】では退位に関する規定がなく、存命中の皇位継承はできない。
もし生前退位が認められると、
- 今後、恣意的(しいてき:自分勝手)に退位できるようになってしまう。
- 天皇陛下の自由意思に基づかない退位の強制があり得る。
- 天皇が退位後も上皇(天皇が位を退いてからの尊称)や法皇(上皇が仏門に入った時の尊称)などの地位からも、政治的な影響力を持つことになる恐れがある。
などが懸念されている。
1946年1月1日、昭和天皇が発した自己神格否定の詔書(天皇の意志表示の公文書) をもって、【人間宣言】をされた昭和天皇。
しかし、それまでも国民は陛下を全知全能の神としてではなく、偉人として敬っていたらしい。
陛下と皇后のご公務
- 国事行為などのご公務:国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命・最高裁判官を任命・国会召集・栄典授与等。
- 行幸啓(ぎょうこうけい):天皇陛下と皇后陛下が一緒に外出すること
- 全国戦没者追悼式・全国植樹祭・国民体育大会等へのお出まし。
- 災害発生時には現地に赴かれ、犠牲者を悼み、被災者へのお見舞いや救護活動に携わる人たちへの激励をされる。
国民体育大会秋季大会にご臨席の天皇皇后両陛下(富山県)(写真:共同通信)
出典:宮内庁
- 外国ご訪問:各国との友好親善関係増進・国賓や公賓のご接遇。
- 伝統文化の継承:和歌・養蚕(繭から絹糸を作る作業)・稲作
皇居内の水田で稲刈りをなさる天皇陛下(写真:宮内庁)
出典:宮内庁
- 宮中祭祀:常に国民の幸せを祈っておられる。
- 御所でのご生活・ご研究:ご公務の合間にハゼ類の分類のご研究。昭和38年から28編の論文をご発表。
と、上記したものはご公務の中のほんの一部で、年間600とも700以上とも言われているご日程。
しかし、これでも陛下のご病気やご高齢を考慮して、少しずつご公務を減らしているというのだから、これまでの日々の激務がどれほどのものだったのかを察することが出来る。
ましてやご公務を少しだけ削った事に対してまでも、心苦しく思われているというのだから、国民の為に何をしてくれているのか分からない、本末転倒の言い合いをしている政治家に、爪の垢を煎じてのませてやりたい気がする。
一般人は労働基準法で、1週間の労働時間は40時間以内と定めらている。
すると、260日は法律上で働くことが認められているから、残りの105日は最低限休まなくてはならない事になる。
それが陛下は、1933年12月23日生まれの83歳というお歳で、2015年の年間休日数が82日とはありえない。
改善されたとはいえ2016年は121日と、同世代の方達とは比べ物にはならない労働時間。
退位後の呼称
陛下の退位後の称号は歴史的に使われてきた【上皇】とし敬称は引き続き【陛下】とすることで最終調整に。
象徴や権威の二重化を回避するために、公的行為を全て新天皇に譲ることが適切としている。
皇后さまは【上皇后】とし敬称は【陛下】。
秋篠宮さまは【皇太子】か【皇太弟】のいずれかに変える案が出ていたが、秋篠宮家は1990年の創設以来27年たち、国民の間にもその称号が定着しているなどの理由から、【秋篠宮】のままとする調整に入っている。
今後、政府は与野党の最終調整を経て、陛下の退位を可能にする特例法案を5月19日に閣議決定し国会で成立させる方針。
政府内では、2018年12月下旬に退位と新天皇即位を実現させ、2019年元日に元号を改める案が検討されている。