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深刻な状況にある人に、他人がとやかく言ってはいけないと思う。【小林麻央さん・海老蔵さん夫婦について】

 

先日、34歳という若さで小林麻央さんが亡くなった。

最後まで麻央さんらしくいてくれたことで、同じような病気を患っている方たちの励みになっていたに違いない。

 

有名人って本当に凄いと思う。

「そういう仕事を選んだのだから仕方ない」と言われてしまえばそれまでなのだが、

大事な人が亡くなってしまったという人生で最も避けて通りたい事実を、まだうまく受け入れられないうちに、世間に自分の感情を吐露しなくてはならないという辛い現実が待っているのだから。

 

以下はお姉ちゃん(小林麻耶さん)の記事。 

 

フリーアナウンサーの小林麻耶が29日、ブログを更新し、亡くなった妹・麻央さんについて「妹はどこか遠くの病院に入院していて、今は会えない…そんな感覚になってます」と、今の心境をつづった。

麻耶、麻央さん亡くし1週間「どこか遠くの病院に入院して…」心情つづる (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 

この記事を見て、まだ麻央さんが死んでしまったと実感できない、あるいは認められないという正直な気持ちが書かれていると思った。

自分も旦那が亡くなって今年で5年も経つというのに、旦那は僻地に出張に行っていて、なかなか日本に帰ってこれないといった、未だにそんな感覚なのだから。

 

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出典:市川海老蔵「痛く感じています」小林麻央さんとの時に思い馳せる 過去の家族写真も連投 - モデルプレス

 

 

以下は、2017年1月9日に特番で放送された海老蔵さんの番組を見て、医療系ライターとやらが怒りをあらわにした記事。

 

これががんを患う妻を持つ夫の言葉だろうか。市川海老蔵が乳がん闘病中の妻・小林麻央に関して語った言葉が、あまりに無神経だと炎上している。これは1月9日放送の特番「市川海老蔵に、ござりまする。」(日本テレビ系)にて飛び出たもの。がん患者との交流を持つ医療系ライターが憤慨した様子で語る。

「海老蔵さんは昨年10月に、麻央さんについて『早かったら3、4、5月で、今年の夏は絶対無理だと思った』と語っていた。しかし、こういった表現は完治したか、もしくは亡くなった方について語るときの言葉でしょう。麻央さんがいま現在も死の恐怖に立ち向かっていることを海老蔵さんは自覚しているのか、はなはだ疑問ですね」

海老蔵は夏を越えて闘病を続ける小林について「すごいことが起こってる」とも語っていた。これらの言葉から小林の身に起こっている“奇跡”を強調したかったようだが、その発想自体に当事者感がこもっていないという。

患者にとっても身内にとっても望むのは常に“完治”のはず。しかし海老蔵さんの言葉は、“延命していること自体が奇跡”だと言っているのも同然です。しかもテレビで発言したら麻央さんに伝わるのは確実。それとも海老蔵さんは同じ言葉を、麻央さんに直接伝えたりできるのでしょうか?」(前出・医療系ライター)

身内であれば患者に対して「必ず治るよ」と声をかけるもの。それとも海老蔵はもしや「次の夏も越せるよ」とでも語っているのだろうか。

 家族が言うことか!小林麻央に対する海老蔵の「あの言葉」に非難の声 - グノシー

 

何を思ってこれを書いたのか、自分とは少し違う思想の持ち主だと思われるので理解しがたいし、少し無責任なことが書かれていると思われる点について解せなかった。

病気に苦しむ家族を持つ人全員が全員、そういった感情が生まれるかどうかは分からないし、人の生死にかかわる重大な問題として、簡単に家族の気持ちを代弁してもらいたくはないのだ。

 

 

身内であれば患者に対して「必ず治るよ」と声をかけるもの

 

おいおいおいおいっ!

ツッコミが止まらない、そうじゃないだろ。

 「必ず治るよ。」

本来、そんな簡単な言葉を重病人にかけられるわけないでしょうよ。

そもそも、患者本人が自身の身体の事をよく分かっている。

それに今時は、よっぽどの家族や本人の希望がない限り、本人の治療に対する理解や不安を少しでもなくすために告知することが多い。

 

ただし、「病は気から」ということもあって、現実とあまりにもかけ離れている励ましはどうかと思うが、落ち込みがちな患者さんに前向きな言葉をかけてあげる事は良いことだとは思う。

周囲の言葉を聞いて、少しでも励みになれば身体の回復力も僅かながらでも上がるかもしれない。

 

 

患者にとっても身内にとっても望むのは常に“完治”なはず

 

当たり前でしょ、そんなの。

普通の人間なら誰だってそう思うよ。

不治の病を患った人だって、もちろん完治を望んでいると思う。

そう、自分だって絶対完治を望む。

 

しかし病と闘っている人は、一日一日と体調の変化を感じながら過ごしているに違いない。

そして、それを目の当たりにする家族。

ネットやテレビで取り上げられている良かれと思う治療法は、何でも試してあげたい。

あるいは、

「今日はなくとも明日にはどこかの大天才が、凄い薬を作ってくれるんじゃないか?

何でも治す装置が発明されるんじゃないか?」

と淡い期待を抱きつつ、それを折れそうな心の支えとして闘病している方もいるだろう。

 

 

とにかく、そこの家族でもなんでもない人間がとやかく言うもんじゃない。

(自分もか…)

そもそも今回の件だって、麻央さんがどう思っていたかは誰も分からないのだから。

これを聞いて、「あぁ、旦那らしい」と思えばそれまでなのだ。

 

海老蔵さんが麻央さんに対して表向きなだけの愛情だったら、子供達はあれほどまでに海老蔵さんになつかない。

あんな幼い子達だって、お母さんを気遣って我慢している面がたくさんあるのだから、

そんな時にお父さんの悪口まで聞こえてしまったら、小さい心がどんなになってしまうだろうか?

 

いいと思う、夫婦の間で問題ないのなら。

我々がとやかく批判している場合ではない。

 

そして、 

麻央さんが乳がんを患っていることが公表されて以来、病院では乳腺の検査を受ける方が増えた。

これほどまで女性に乳がんに対する意識を強く持たせてくれた麻央さん。

少なからずとも、早期発見できた方がいるんじゃないのかな?

 

小林麻央さん、素敵でした。

ご冥福をお祈り申し上げます。

 

2017/06/29更新

 

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