脂肪を溶かす貼り薬を、米研究者らがマウス実験で開発し、人体にも応用可能な期待が⁉
米コロンビア大学メディカルセンター病理・細胞生物学部のリー・チャン(Li Qiang)准教授と、ノースカロライナ大学チャペルヒル校・ノースカロライナ州立大学合同の医用生体工学部准教授で、スキンパッチの設計を担当したゼン・グ(Zhen Gu)氏が、マウスを使った実験で、脂肪を溶かすスキンパッチ(貼り薬)の開発に成功したと発表した。
出典:http://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsnano.7b04348
貼るだけで脂肪20%減⁉
スキンパッチはナノテクノロジーを利用して体内の代謝を上げ、白色脂肪細胞を、褐色脂肪細胞へと変化させることができる。
7ミリ×7ミリという小さなシートに、121本の薬が入った針がついていて、痩せたい場所に貼るだけで部分痩せを実感できるという。
一番気になる副作用もないらしい。
マウスを使った4週間の実験では、スキンパッチが貼られた部分の脂肪が20%減少したというから、人への実用にも期待が高まる。
白色脂肪細胞とは?
体内に入った余分なカロリーを中性脂肪として体内に蓄積する働きがある。
・エネルギーを蓄える
・思春期から増える
・腹回り・太もも・内臓周り・背中に多い
褐色脂肪細胞とは?
熱を作り出して体温を維持したり、食事から取り入れた余分なエネルギーを燃やしてくれる働きがある。
・脂肪を燃焼させる。
・大人になると脂肪細胞中の1%以下。
・40歳以降から激減。
・首の後ろ・わきの下・肩甲骨周り・心臓・腎臓の周りの5カ所などわずかに分布。
褐色脂肪細胞は増やせるの?
残念ながら褐色脂肪細胞を増やすことはできないが、働きを活発にすることはできる。
寒冷刺激
人は寒い場所にいれば、ぶるぶると震えることにより、体から熱エネルギーを発生させる。
そしてさらに長時間、寒い環境下に身を置けば、体温を上げるために褐色脂肪細胞が活性化してきて白色脂肪細胞を燃やし、熱を発生させる。
よって、寒冷刺激を与えることが効果的で、寒い環境での水泳(水温が18℃以下の低温水)や、ジョギングなどが良いらしい。
(あくまでも、健康体の方に限るが)
褐色脂肪細胞を活性化させる効果的な食べ物
青魚【EPA・DHA】
マウス実験において、EPAとDHAを添加した高脂肪食を食べたマウスは、高脂肪食だけを食べていたマウスに比べて、UCP1(褐色脂肪細胞のみに存在する蛋白質で、エネルギーを熱に変換する)が4倍多くなっていることが判明。
とうがらし
唐辛子に含まれる辛み成分の『カプサイシン』という成分が、脂肪燃焼にかかわる交感神経の働きを高めることで、褐色脂肪細胞での熱産生を促進。
成人病予防にも期待が持てる
このスキンパッチが人間に実用される日が来るとしたら、ダイエット効果だけではなく、全身のエネルギー消費が上がることにより、血糖値が大幅に下がる結果が出て、2型糖尿病や肥満からくる心疾患の予防に期待出来るという。
ただし、残念なことにまだ開発途中で、実用されるには数年かかるらしい。
自分としては、病気の治療目的で使用するなら両手を挙げて賛成できるのだが、誰でも気軽に使用可能となってしまうと、人間本来の衣・食・住のリズムが狂ってしまい、逆に良くないのでは?と少し不安に思った。
なぜなら、誰でもその痩せるシートが使えるようになったら、自分は絶対に暴飲暴食に歯止めをかけられない自信があるからだ。
『大好きなから揚げをたらふく食べて、腹が気になったらシートを貼ればいいんだ』
なんて繰り返してたいら、外見ははどうにかなるかもしれないが、どう考えたって五臓六腑を始めとした内臓様たちが黙っちゃいないだろう。
・・・とか言っておきながら、
人間本来の努力で正しく痩せるのが一番だということは重々承知の上だが、貼るだけで痩せるという夢のような商品の登場を、秘かに望む自分もいたりする。