『最高のパフォーマンスをしてもらうため7月24日~8月9日にした』
2020年の東京五輪について、JOC(日本オリンピック委員会)などは『最高のパフォーマンスをしてもらうため7月24日~8月9日にした』と言っているようだが、どこの日本人がその言葉を信じるだろうか?
死者も出るほどの猛暑日で、スポーツマンが最高のパフォーマンスを演ずることができるとは到底思えないのだが。
じゃあ、なぜこんな時期に開催されるのか?
トーキョーは、IOC(国際オリンピック委員会)から開催都市に立候補する大前提として、7月15日~8月31日で開催することを求められた。
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でも、せっかく開催するなら気候の良い時期に変えてもらえばいいのに・・・
しかし、それができないのが大人の事情ってやつ。
そこには巨額なテレビ放映権料が絡んでいる・・・
テレビ番組の編成としては、欧米の人気スポーツの少ない夏の五輪が最適だった。
9月に入るとサッカーの欧州チャンピオンズリーグ戦があり、米プロフットボールのNFLも開幕する。アメリカのNBCユニバーサルは、22年冬季から32年夏季までの6回の五輪の米国向け放送権を76億5千万ドル(約7780億円)で獲得しているため、他のスポーツとテレビの放映枠を争うようなことがあれば、テレビ放映権料に影響がでかねない。
IOCが夏にこだわるのは、これらとの競合を避けるためなのである。
そして、IOCは収入の9割を各国のオリンピック委員会や各競技の国際連盟などに還元しているため、IOCの方針に対して、巨額の補助金を受け取る側からは反対しづらいのが現実だ。
気温が35度・湿度55%以上だと【暑さ指数】が31以上【運動は原則中止】
環境省が競技会場周辺の14ヵ所で、17年7月中旬から9月中旬の約2ヵ月間にわたり熱中症の危険性を示す国際指標の【暑さ指数】を測定した結果、最も高い危険性がある【暑さ指数31】のレベルに達した日が新国立競技場など4ヵ所で25日以上あったというのだ。
1984年のロサンゼルス五輪の女子マラソンで熱中症になりふらふらになってゴールしたスイスのアンデルセン選手
出典:Front Page - SWI swissinfo.ch
高温もさることながら、多湿がアスリートを苦しめることになる。
しかも、マラソンランナーは高所でトレーニングを積むのが常識なので、必然的に涼しい場所で過ごす期間が長くなり、暑さへの耐性はあまり高くないだろう。
そしてマラソン以外にも競技時間の長い競歩、激しく動くサッカーなどの屋外球技でも注意が必要だ。
『お・も・て・な・し』
56年ぶりの自国オリンピックの開催とあって、国民の期待も大きいだろうし、自分も楽しみにしている。
しかし、不安なのは真夏のオリンピックで、選手や観客が熱中症などでバタバタと倒れる事態となったら『お・も・て・な・し』が台無しとなってしまう。
よって、開催国の責任として政府には、【熱中症100パーセント安全対策】を実行してもらいたいのだが、それは今の政府に期待できないので、今からでも気候の良い秋か春に変更してもらうための努力をしてみてはどうかと提案する。
頭を下げるのは得意だろうに・・・