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10数年ぶりの私のテリトリーを侵さないで ~ボヘミアン・ラプソディに感化されて

 

きっかけのテレビ

その日は晩酌が度を越していて、たいして見たくもないテレビのチャンネルを適当に押しまくっていたのだが、ある番組でふと手が止まった。

その内容はというと、昨年公開された映画ボヘミアンラプソディーの影響もあるのだろう、番組名は全く分からないが、関ジャニメンバー?と見たことがあるミュージシャン達が、QUEENについて熱く語るというものだった。

 

ただし、その時点での自分はというと、QUEENのことはまったくと言っていいほど知らなかったし、楽曲も『あ〜、これ聞いたことある』 というレベルだったので、再度リモコンを手に取り、いつでもチャンネルを変えられる態勢をとっていた。加えて、映画の方も当然観ていなかったわけで、周囲からは観た者すべてを虜にするくらいだとは聞いていたが、とりわけ重い腰を上げてまで見に行きたいとは思っていなかった。

 

 

ただ、ただね・・・

Bohemian Rhapsodyは「多重録音されていて」だの、Bicycle Raceはギターで「ドレミファソラシド」を弾いているだの、We Will Rock Youの足踏みの音色にこだわりまくって古い教会で録音しただの、フレディのボーカルの転調がいかに気まぐれで天才的で芸術的だのと、ミュージシャン達が目を輝かせながら語っているのを見ていたら、まんまとテレビに吸い込まれてしまった自分がいたわけで・・・

 

Bicycle Race 

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We Will Rock You

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Don’t Stop Me Now

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そうこうしているうちに、Bicycle Raceでうきうきになって、We Will Rock Youで奮い立ち、Don’t Stop Me Nowでもう誰も自分を止められやしないと気分が高揚した結果、にわかQUEENファンが出来上がっていた。

ガリレオがもう、頭から離れない。

Bohemian Rhapsody

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何となく知っていたけれど、改めて聞いたらやばかった。

しんみりから始まってオペラっぽくなり、ガラッと変わってイカしたロックになったと思ったらまたしんみりにと、正直、自分の音楽の常識がついていけなかったくらい衝撃を受けた。

*音楽は詳しくないので表現が下手ですみません

 

映画を観たい 

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そんなこんなでね、映画もぜひ観てみたいなぁと思ったわけで。

でも、もう2月。さすがに上映は終わっているんだろうな、DVDが出るまで待つかと半ばあきらめかけていたが、ラッキーなことに2月いっぱい上映しているというので意を決し、念には念を入れてネットで席を予約した。ただ、時期が時期だけにその時点では劇場独り占め状態。そんなこんなでもう後戻りは出来ないんだなと、少し神妙な気持ちになった。たかが映画1つで神妙な気持ちというと、ちょっと大げさに聞こえるかもしれないが、 何せ映画を見に行くという行為が、娘たちと行った『クレヨンしんちゃん』以来10数年ぶりなことだったで、面倒くさがりな自分にとっては一大イベントだった。

 

なぜそこに⁉ 

当日は映画館まで自転車で。 もちろん、30分間の道のりは、Bicycle Raceから始まるQUEENメドレーを聞きながらルンルンでペダルをこいだ。

 

無事到着後は久々の映画館に戸惑いながら、チケット発券の仕方が分からなかったため、若干店員さんに手間を取らせてしまったが、その後は余裕でトイレを済ませ、チキンナゲットとビールを購入し、いざ本丸へ。

チケットとにらめっこしながら座席探し。ざっと場内を見渡すと、100人前後の座席にぽつぽつ程度の観客で、10人いたかいないかくらい。

『自分と同じような人か、あるいは熱狂的なファンだな』と思いつつ、あぁこの辺りだと目星をつけた列には、なぜか数人先客がいた。

 

 

『間違いない、ここだ…』

一週間前から予約していた特等席の左側には、自分よりも明らかに年上のおばさんが1人。

 

『おいおい、頼むよぉ…』

右側には1つ座席を空けて家族連れが陣取っていた。

 

 

~以下、回想~

 

おばちゃんさぁ、仕方なく座ってみたけど納得がいかなすぎる。だって、ガラガラなのによりによってなんで真横にきた?

気づかなかったんか?自分が横をリザーブしていることに。

しかもさぁ、何の音?宣伝が始まってからも発し続けている謎の音。聞いたことない音だよ。そしてその尋常ではない鼻のすすり方。さらには持ち物を異様なまでにガザゴソと。勘弁してくださいよ、本当に。

 

お父さん、お母さん、そして息子よ、1つ席を空けたことは大目に見て認めよう。

ただね、これほどまでにガラガラなのに、よりによってなぜ自分の列を選んだかね。

ましてや親御さんさぁ、今から見る映画はその子も観たがっているものなのかね?

まだ本編も始まっていないのに手足をバタバタさせ奇声を発しているその子が、到底最後までお利口にしていられるとは思わないんだが・・・

 

はぁ~あ・・・

せっかくの映画。楽しみにしてたのに。

あぁ、宣伝って長いんだな。まだ、続くんだ。

後ろも前もがら空きなのに、自分の両隣だけうるさいな。

なんでだろ?予約なんかしなきゃよかった…

もう始まるんかな?あ、まだ宣伝だ。

やだな、このままじゃ楽しめない。やだなぁ。

 

 

逃げちゃだめだ

 

逃げちゃだめだ

 

逃げちゃだめだ

 

 

 

よしっ、逃げよう。

 

~ 回想終わり~

 

ってなことで、本編が始まるぎりぎり前に3列ほど後ろに移動し事なきを得たわけだが、後から誰か来やしないかと少しヒヤヒヤものだった。しかし、来たら来たで移動すればいいのだと自分に言い聞かせ、開き直っていた。

 

映画の内容はというと、オープニングから鳥肌が立ち、ラストではここ数年流したことのない涙があふれ続けた。 ライブ・エイドでのシーンはまさにYouTubeで見たQUEENそのものと言えるくらいの再現力。そして、メンバー個々の才能が際立って優れていたことを知った。

 

百聞は一見に如かず


 


 

 

パーソナルスペース

最後に本題、他人に近づかれると不快に感じる空間「パーソナルスペース」について。

おばちゃんや家族連れも、いい席で映画を観たいという気持ちがあってのことだったとは思うが、自分がその立場だったら絶対にその席は選ばない。

だって、せっかくの贅沢なゆったり空間があるのにも関わらず、赤の他人の真横に陣取るなんて意味が分からない。家に帰ってからもずっとそれがひっかかり、心がモヤモヤしていたのが少しもったいなかった。

 

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思い切って席を移動するまでの心の葛藤とそれを実行した勇気を、どうにかして誰かに伝えたく、その晩長女に興奮気味に話してみた。

その結果、『最悪~ あははっ』と長女。そんなもんである。

ちょっぴり気抜けしたのと同時に、十人十色仕方ないかと、意固地になっていた自分を恥ずかしく思ったりもした。

 

まぁ、兎にも角にも映画は無事楽しめたので良しとするか。

興味を持てることが何一つなく、ただただ日々過ごしていた自分が、これほどまでに心揺さぶられたのはいつぶりだろう?こんな気持ちをまだ持てる自分に、少し驚いたりもした。

 

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