かけ声
『当たってくだけろ』
かけ声は 勇ましいけれど
かけ声をかける 当人は
当たりも くだけも しねんだよなあ
相田みつを
皆さんは「がんばってねぇ~」と一言かけられるのはうれしい?
がん‐ば・る〔グワン‐〕【頑張る】
困難にめげないで我慢してやり抜く。
自分の考え・意志をどこまでも通そうとする。我 (が) を張る。
ある場所を占めて動かないでいる。
普段何気なく使っている【頑張る】という言葉、実は結構重い言葉。
自分が言われたとすると、正直複雑な気分になってしまう。
そして、『気軽に頑張ってと言えるあなたは、本気で自分の事を応援してくれているのか?』と疑心暗鬼にさえ陥いってしまう。
社交辞令で言ってくれているのもあると思うが、性格がねじ曲がっている自分からしてみれば、何よりも声をかけてくれる人の言葉の重みというか中身が軽すぎて、心からではないんだなと一瞬で分かってしまうからだ。
『ほ~い!』とお茶らけて返事はしてみるものの、心の中や脳内では社交辞令はやめてください感が半端ないのである。
とは言え、自分自身がある程度頑張らないとならない状況下で、誰からも何の言葉もかけられないというのも寂しいものがある。
言っていることが矛盾してしまったが、要は『応援する気がないのなら、安易に応援してもらわないで結構です』と言ったところだろうか。
だから、自分も気軽に使ってしまいがちな【頑張って】を大事に使いたい。
心が素直な人は頑張っての一言をうれしく感じるんだろうな。
そうだ、声をかけてくれる人は心から応援してくれているんだ。
何十年もの年月をかけてねじ曲がった心の知恵の輪を解こうとしていると、
「上っ面だけの人間の一言を、いちいち気にしてんじゃねえよ!」
と、にやり笑いながら言っているもう一人の自分の声が聞こえた。