インフルエンザにマスクって?
一時期のピークは過ぎたものの、病院にはインフルエンザウィルス保有者が今だ日に何十人と診察を受けに来ている。一月の最も多かった日には、容疑者約300人が外来に押し寄せ、そのうち約200人が陽性だったという脅威。しかし、それを乗り切った看護師さんたちはまさにプロ。さすがだなと感心した。
病院では毎年この時期になると、全職員マスクを着用するようにとのお達しがある。
インフルエンザ予防にマスクがあまり有効だとは思わない自分は、世間体だけを考えてマスクをしている。
ただし、正しくマスクを着用すれば、ウイルスを含むくしゃみのしぶきなどを吸い込むことによって感染する飛沫感染をある程度は防ぐことができるが、マスクの取り扱いが間違っているとあまり意味がない。
来年は予防接種を受けようかな
予防接種も毎年受けない少数派の自分。
インフルエンザも約20年前にかかった以降、子供がかかろうがもらうことなく乗り切ってきた。
予防接種 賛否両論
予防接種をすべきかどうかを判断するには、まず正確な情報が必要。
感染症によって後遺症が残ったり死亡したりするリスクのほうが、ワクチンの副作用のリスクよりもずっと大きいことを知った上での拒否はありだが、反ワクチン派による虚偽の情報によってワクチンを拒否するのは間違っている。
インフルエンザに関しては、予防接種を受けることにより罹患の可能性が減り、合併症や重篤化を防ぐ効果が認められているので、小児や高齢者、施設・教育・医療関係などに就いている人は、積極的に接種した方がよいと思う。自分も含め・・・
『予防接種をしたのにかかってしまった』なんて話しをよく聞くが、予防接種を受けていてもウィルスが身体に入り込むことは防げない。しかし、予防接種を受けたことにより免疫のスイッチがすぐ入り、発症しなかったり通常発症するよりは軽症で済むということになる。
とりあえず葛根湯
薬も好きではないので、インフルエンザに罹って以来飲んだ記憶がない。
というか、自分の中では【漢方=生薬=食品】という勝手な公式があるので、正確には漢方以外の薬は飲んでいないというのが正解か。
良薬は口に苦しで見向きもしなかった漢方を飲むようになったのは、同僚の葛根湯信者に洗脳されたから。自分はここ2、3年、鼻や喉のわずかな変化も見逃さず、異変を感じたらすぐに葛根湯を飲んだ。それが本当に風邪だったかは分からないが、次の日に持ち込むことなく決着がつくのには、少し感動したのを覚えている。
そんなこんなで、何十年も寝込んだことのない自分は、手が摩耗するほど洗う割には、マスクの外側を触った手で目をこするという、何ともカオスな厳戒態勢を見せる同僚をよそ眼に、『今年も余裕だな』と心の中で思っていた・・・
おかしいな? まさかっ⁉
『あれっ?なんだろう?この感じ』
たまにある風邪の前兆とはな~んとなく違う、喉から胸にかけての違和感があったが、困ったときには葛根湯と言わんばかりに、すぐにロッカーへそれを取りに行きその場で飲んだ。『これで安泰だな・・・』
帰宅後、飲めばまたいつもの調子に戻ると思い、ルーチンの晩酌を始めたが、なぜかテンションが上がりきらない。
『まぁいいや、明日にはいつも通り治っている』と思いつつ、少しだけ早く寝た。
念のためにと翌朝も葛根湯を飲んで出勤。昼飯後も飲んだ。
なのに、
おかしい、おかしいぞ。熱はないが少しだるい。腰も重くて痛い。脈が速い。鼻水が止まらない。
~以下、回想
まさか、インフルっ⁉
いや、前回のインフルはすぐにタミフルを飲んだって、三日三晩寝ることさえできなかったくらい、物凄く辛い思い出しかない。しかも、インフルは高熱が出てなんぼだろ?同部署内でインフルにかかった人もいないし、まさかね、あはは。
いや、待てよ。みんなは予防接種をしている。家族がインフルになった人も何人かいる。そう言えば、くしゃみや咳をしていた人もいたな・・・
まさか〇〇、インフルだったけど症状軽いから検査しなかったんだな。流行りの隠れインフルってやつか⁉
くっそ~、まんまとうつっちまったじゃねぇか!
はっ、まだインフルと決まったわけじゃない。仕事だってとりあえず支障なくこなせるし。明日から連休だからどうにかなるさ・・・
~回想終わり
隠れインフル
いくら回想してもやっぱり少し寝苦しかった。寝汗もかいた。
医療現場で勤めるものとして、感染源になってはならない・・・
翌日病院へ行き、キットを使って検査をしたら、まんまとAだった。
いわゆる流行りの隠れインフル。風邪かどうかの微妙な症状で、本人も気づかないうちに周囲へ感染させてしまっている恐れがある厄介なやつ。しかし、幸いなことに職場のみんなにうつった気配がないので一安心。
軽症で済んだ理由を考えた
・高齢者は熱が出にくいというがまだ中年。
・予防接種を受けると症状が軽く済むというが受けていない。
・解熱鎮痛薬は飲んでいない。 薬は飲んでいない・・・
薬?・・・はっ、まさかの葛根湯⁉
まさかと思い調べてみたら、漢方がまさかのインフルエンザにも対応できるとは・・・
Q. 漢方はききますか?
A. 「葛根湯」や「痲黄湯」に含まれる生薬の「麻黄」には、A型インフルエンザウイルスの増殖抑制効果が実験的に認められるそうです。5カ月~13歳の子供60人で比較したところ、タミフルより漢方薬の「麻黄湯」の方が2倍近く短い時間で治療でき、副作用などは見られなかったという研究があります。因みにタミフルは、薬草である「八角」の成分を化学的に操作して作られています。
だからと言って素人判断は厳禁
インフルエンザは怖い病気。
当たり前の話だが、『かかったかな?』と思ったら、まずは医療機関で診察を受け、医師の判断を仰ぐことが重要。市販の薬を自己判断で使用することは、かえって逆効果になることもあるので、必ず医師に相談しよう。