『今日の夕飯何にすっかな・・・』
もはや主婦の苦行ともいえる夕飯づくり。毎日毎日献立を考えるのは至難の業。会社勤めからは解放されたはずなのに、帰宅してもまだまだ仕事は終わらないというつらい現実。
『ばあやでもいればな・・・』
決して自分は家政婦さんを雇えるような身分ではありません。
が、いるんです。わが家には。まぁ、かあちゃんのことなんですけれどもね。
そういうことで本日は、家族の中で心も体も一番健康な、母の話しをさせてもらいます。
下町の老舗から穴場まで! 東京の美味しいおでん屋3選 │ ヒトサラマガジン
おでんの恋しい季節真っ只中ですね。
全国各地様々なご当地おでんが存在しますが、読者の皆様のご家庭でも、それぞれの隠し味やこだわりがあることでしょう。
今晩はわが家もおでんです。母が晩酌のつまみに作ってくれてました。
しかし、当の本人は鍋の蓋を開けて何やらぶつぶつ言っています。
『何でぐちゃぐちゃになるんだろ?汁がないね・・・』
もともと母は料理に対してあまりこだわりがないので、このおでんだって、既製品のだしや具材の力を使っての完成品のはずです。
説明書き通りにこしらえていれば、この謎のワードは出てこないはずなのです。
こちらが問題の一品。目の前に出された皿にはおでんらしきものが・・・
一応自分には、これでも気を使って盛り付けてくれたようです。
母曰く『ぐちゃぐちゃ』は自らがひきとったようですが、それを見て母のつぶやきの謎がすぐに解けました。
がんもどきのわずかな原型が残り、破片がほかの具にくっついていて、透明なはずの汁は混濁しています。だしの素に対しての水の量の少なさ、練り物の湯通しは完全無視、沸点の限界をぶち切る鍋の中。あたかも見ていたかのように、作成過程が頭に浮かんできました。
『しょっぱいな・・・』
とりあえず練り物を一口ずつ食べてみましたが、どれも塩っ気が強くてこのままでは酒が何杯あっても足りませんでした。
ただ、今の自分はというと、旦那はいないし、二女は結婚したし、長女は仕事やら何やらであまり家にいないしで、めったに料理をしなくなくなりました。よって、母には日々楽をさせてもらっている分、出された食事に文句を言える権利はありません。ここは、黙ってお湯を足して食べるという離れ業で難を逃れました。
ただ、今日に限っては、これ以上黙ってはいられないことがありました。
もしかしたら、上の写真を見て不可思議な点にお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
そう、たまごです。異様に白いたまごちゃん。
それを横で一緒に食べている母は、普段と何一つ変わらない様子で皿から取り出し、ティッシュの上へ。
“コンコンコンッ”
明らかにテーブルに叩きつけています。
自分:『殻のままかっ⁉』
母:『よく洗ったから大丈夫だよ』
自分:『いや、そういう問題じゃなくて・・・』
既製品には入っていなかったから、たまご好きな自分のために入れてくれたのでしょう。ただし、手間を省きすぎて・・・
いやいや、食う前から文句はやめておきましょう。もしかしたら、どこかの名店では殻付きたまごを出しているかもしれません。絶品かもしれません。
普通のゆで卵より若干手が汚れてしまいますが、それはご愛敬。
きれいにむけました。食ってみます。
・・・
普通のゆでたまごでした。真がつくくらい白く、塩味は一つもありません。
おでんの汁につけて食べてみました。別にまずくはありませんけど、やっぱり塩をつけて食うのが一番ですね。
そんなこんなでね、うちのかあちゃんの料理というかご飯を食っていると、時々漠然とした疑問を持つことがあるんですけど、最近な~んか原因がわかってきた気がするんですよね。