ある事情で、うさぎ母とうさぎ赤ちゃんが一緒にいる部屋と、うさぎ父の部屋を交換することになった。父が1羽で、広い小犬用の部屋に引越しすることになった。
これから母と子が生活する方が、うさぎのケージだったので、少し狭いのだが(2羽が生活するくらいは余裕。)余計な物や食べかすなどが、網の下に落とされるという構造になっているため、清潔を保てるということも部屋替えした理由だった。
一通りうさぎ達のお世話が済んだところで、
うさぎ一家のストレス発散タイムがスタート。長女が時間ごとに、母と父だけは一緒に外に出ることのないよう、交代で遊ばせている。たまたま近くによって来たちびを、ここぞとばかりに抱っこしようとするものなら、十割に近い俊敏な速度と力で断られる。
やってられないなぁとこちらも、夕飯とテレビタイム。
「あーでもない、こーでもない。」と家族でテレビに突っ込みを入れる姿を見られたら、さぞかし笑われてしまうんだろうな。
誰かがあくびをしたら、うさぎ一家のストレス発散タイムは終了で、ケージに入ってもらうのだが、
『あれっ?!お父さん?ずいぶんと小ちゃくなっちゃったねぇ。』
父と同じ色をした、小さい小さいうさぎが、扉の空いたお父さんのケージ(引っ越し前のうさぎ用ケージ)の中の隅の方に、ちょこんと座っていた。
んっ!?辺りを見渡すと、普段からおとなしいお父さんは、静〜かに、お母さんのいるケージのすぐそばで、横たわっていた。
今の時間は、お父さんだけしか出ていないはず。
『お前さん、なんで?なんで、ここに入っているの?』
長女も『さっき、もーちゃん(もるぞふ:母の名前)と一緒に部屋に戻ったはず。』
と言っている。部屋の扉(広い小犬用のケージ)もキチッと閉まっているし。
(娘が赤ちゃんしまい忘れたか。)
まぁ、そんなに深く考えず、お父さんの部屋から赤ちゃんを出して、母のもとへ帰ってもらおうとした。
『 あとは、お前さんだけだ。早く母さんのところへ帰ろう。』
赤ちゃんをとりあえずお父さんのケージから出すと、
ひょこひょこっ。
『えっ?!』
ケージの柵の間をすり抜けて、母の元へと自ら戻って行ったのだ。
『そういうことねぇ〜。』 と娘と納得した。
それで家に誰もいない時に、赤ちゃんが出てしまって戻れなくなったら大変だということで、仔犬用のケージから、うさぎ用のケージに部屋替えした。という訳。
抜け出して眠っていた