物心ついた頃からだったかな?
自分の脳という司令塔が動かしているはずの手や足が、とても自分自身のものとは思えずに、客観的に見えてしまう事が時々あったのは。
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説明が難しい、どう言えばみんなに伝わるだろう。
例えば、
「あれ、自分は今何をやっているんだろう?」
「この身体、自分?」
ふとした拍子に〝ほわぁん〟って感じでおとずれてくる感覚とでも言おうか。
頭の中に一枚余分な膜が張っているというか、自分の視界の先に薄いベールがかかっているというか・・・
歳を重ねるごとにその症状はなくなりつつあるが、あの“ほわぁん”がくる手前で、我に返りハッとなる。
世に言う【離人症】らしい。
離人症
症状
- 自分自身が行動しているのにもかかわらず、実感が伴わない。
- 自分の身体が自分のものという感じがしない。
- 自分の取り巻く環境を現実のものとしてとらえられない。
- 時間や空間の感覚に異常が生じる。
離人感は女性の方が男性よりも2倍生じやすく、発症の平均年齢は約16歳。
40歳以上は稀らしい。
原因
明確なメカニズムは解明されていない。
疲労やストレス・てんかん・脳神経疾患・薬物乱用などで出現したり、
不安障害・躁うつ病・統合性失調症などの精神障害と併存して起こる場合とがある。
健康な人にもみられる症状だが、症状が強く長く続いたり、日常生活や社会生活に支障をきたすようなら治療が必要。
治療
特定的な治療法はないが、ストレスとの関連が強いので、カウンセリングなどでストレスの原因を見つけて、それらを減らしたり回避したりする方法を考える。
脳の損傷や違う病気が原因で離人症が起こっている場合は、専門医の元で原因になっている病気を治療することが必要。
自分は数秒間不思議な感覚があるだけで、シュワっと現実に戻れるというか、感覚が戻るというかだ。
だから自分のそれが【離人症】かどうかは定かではないが、現在もたまに、キーボードを打つ両手に目がいくと、目の前で勝手に動いているマジックハンドに見える時がある。
アッと我に返り、指先から肩までを見て「あぁ、自分なんだ」と確認して、深みにはまらないようにしている。
ただの疲れだろうけれど。