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非喫煙者にも多く発症する【肺腺がん】とは?

 

先日肺腺がんを公表したET-KINGのいときんさん。

今年6月、年に1度の定期検診で異常が見つかり、7月に細胞診などの検査を受けた結果、ステージ4の進行がんで、リンパ節と脳への転移が判明したという。

 

年に一度きちんと定期検診を受けていたのに、いきなりのステージ4。

自覚症状もなかったというから、まさに青天の霹靂だったであろう・・・

もしかしたら検診を受けていなかったのでは?と思ったが、年に1度と書かれているので、毎年検診を受けていたのであろう。

 

 

肺腺がんとは?

 

・肺腺がんは、肺がんの60%程度を占めていると言われていて、日本において最も発生頻度が高い。

 

・男女別に発生率を見てみると、男性の肺がんの場合は約40%、女性の場合は約70%と年々増加傾向にある。

 

・禁煙者が増えているのに、肺がんの発症率が増えているということで、肺腺がんは喫煙との関係性が明らかにされていない。

 

・ただし、他の肺がんは喫煙との関連が非常に高いので、吸わないのが一番だということは言うまでもない。

 

・特に女性の罹患者が多く、女性ホルモンとの関連性も高いとされている。

 

 

初期症状

 

咳や痰が増えたり、痰に血が混じることもあるが、発症する部位によって自覚症状はなかなか感じられないことが多い。

 

・特に息苦しさや痛みは生じない

・呼吸音の聴診をしても特に異常はない

・微熱

・全身のだるさ

・体重が減る

 

職場の健康診断や人間ドックで胸のレントゲンやCTを撮影することで見つかることがったり、たまたま別の目的で撮影したレントゲンに異常な影が映って発見されることもある。

 

 

中期・末期症状

 

大きくなったがんのために周囲の神経が圧迫され症状が出てくる

 

・腕のしびれ・むくみ

・声枯れ

・心臓の周り・肺の周辺に水がたまる

・指先が太鼓のばちのように丸くなる『ばち指』が見られることがある

 

抵抗力や体力が落ちたり、周囲の血管や臓器を巻き込んだりして命を落とすこともある。

 

 

治療法

 

肺がんの治療には、3大治療法として手術(外科的治療)・化学療法(抗がん剤)・放射線療法がある。

肺腺がんに対しては、その中でも化学療法と放射線療法は効きにくいことが分かっており、もっとも治療成績が良いのは手術。

ただし、体への負担が大きいために誰にでも行えるわけではない。

また、病状の進行度によっては、かえって手術をしないほうが良い場合もある。

 

 

肺がん全般

 

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出典:肺がん検診 | 画像診断 | 医療法人 秀放会 仙台総合放射線クリニック

 

がんが肺の入り口(肺門)に近い部分の症状  

 

扁平上皮がん・小細胞肺がんの好発部位

 

・空気の通り道をせき止めてしまい息苦しく感じる

・聴診すると呼吸音がゼーゼーヒューヒューと異常な音になる

 

がんが肺門から遠い、肺のはしに近い部分(肺野)の症状

 

腺がん・小細胞肺がんの好発部位

 

・息苦しさはない

・胸膜(肺の外側を覆う膜)に刺激を与え、胸の痛みを感じる

 

扁平上皮がん(非小細胞肺がん)

 

・肺腺がんに続いて発症率が高いといわれている

・喫煙との関連が強く、非喫煙者はほとんどかからない

・男性の方が発症率が高い

・転移のスピードが遅い

・発見が早ければ手術で完全切除できる可能性が高い

 

大細胞肺がん(非小細胞肺がん)

 

・発症率は肺がん全体の約7%

・珍しくまだ分かりやすい特徴がない

・喫煙との関連が高い

 

小細胞肺がん

 

・肺がんの中で約15%を占める

・手術可能な時期に発見が難しい

・増殖が早く転移しやすい

・抗がん剤や放射線治療に良く反応し、併用治療が基本

・喫煙との関連が強い

 

 

肺がんの胸部X線検査・CT検査

  

胸部X線検査

 

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職場や市町村の集団検診など、誰しも一度は受けたことがある胸部X線検査は、肺野部の肺がんの早期発見に有効だが、肺の入り口に近い『肺門部』のがんは見つけにくいデメリットがある。

肺門部のがんは、特に喫煙と深い関わりのあるがん。

肺門部は、太い気管支や心臓・胸骨・横隔膜などさまざまな器官が重なり合っており、X線では隠れてしまう部分がある。

 

もう1つのデメリットは、ごく小さな肺がんは見つけにくい。

これは肺野部のがんについても同じで、2センチ以下のがんは肋骨や血管などに隠れて見えにくいことがある。

 

CT (コンピュータ断層撮影装置)

 

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CT検査は、身体を輪切りした断面像が得られるため、身体の内部の構造を詳しく調べることができるので、臨床症状や尿・血液検査だけでは分からなかった、身体にとって大切な情報を得ることができる。

 

出典:胸部CT

 

ごく小さながんを早期発見するためには、現在のところCT検査がもっとも有効だろう。

喫煙習慣のある人・受動喫煙の機会が多い人・職業的に肺がんが心配な人などは、CT検査も合わせて受けておくといいだろう。

 

喀痰細胞診

 

肺がんの喀痰細胞診のメリット・デメリット胸部X線検査と並んで、肺がんの集団検診で行なわれている検査が喀痰細胞診。

痰に混ざったがん細胞を調べるための検査で、特に肺門部にできるがんを見つけやすいメリットがある。

特に喫煙習慣のある人は胸部X線検査に加えて、痰に混ざったがん細胞を調べる喀痰細胞診という検査も受けるといい。

 

 

放射線が身体に与える影響

 

現在のCTは制度が上がり、以前より被ばく量は随分抑えられるようになったが、それでも検査を受ければ被曝してしまう。

 

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放射線を人体に受けると遺伝子(DNA)が傷つき、障害を発生させるおそれがある。

しかし、DNAには修復能力があるので完全に修復されれば何の問題もないが、修復にミスがあると、がんや遺伝的影響の原因となってしまう。

そして、DNAを修復できなかった場合、その細胞は死んでしまう。

細胞が死んでしまった場合でも、その場所が臓器であれば増殖した正常細胞に置き換えられていくので大きな障害は起こらないが、細胞が大量に死んだ場合は、臓器そのものが死んだり、臓器によっては人が死亡する場合もある。

 

出典:福島の放射能問題と除染|福の島プロジェクト

  

ただし、CT検査で受けるような少量の放射線とがんのリスクの関係については、科学的に明らかにされていない。

1万人が10mSv(およそCT検査1回分に相当)を受けた場合、その中で5人がその放射線被ばくに起因するがんで死亡すると推計される一方、放射線被ばくを受けなかったとしても、1万人中約3,000人ががんで死亡する。

 

被曝のデメリットよりも検査によって病状が分かるメリットの方が大きいので、医師が必要とする検査であれば受けるべきだと思う。

なぜならば、検査を受けない場合、病気やけがの発見が遅れる可能性というリスクが生じるおそれがあるからだ。

がんや脳の外傷のように、特に重大な疾患・障害の可能性のある場合は、医師が必要と判断した検査を受けないリスクは高い。

実際に病気のフォロー目的で、半年に一度の頭部や胸部のCT検査を受けている患者さんが大勢いらっしゃるが、被曝による健康被害を聞いたことはない。

 

 ※あくまでも医師が必要とする検査であって、患者判断で病院を勝手に変更し、同じ検査をむやみやたらに受けてはならない。

 

 

肺がん予防 

 

何といっても禁煙

 

15年以上禁煙できれば、肺がんリスクが非喫煙者と同等になるらしい。

受動喫煙も肺がんの原因になるので、自分のため・家族のために喫煙者は禁煙しよう。

保険適用で禁煙外来もあるので、自力で禁煙をするのが困難な方はぜひ受診をお勧めする。

 

フラボノイド

 

抗変異原性作用・抗発がん性作用があるとされるフラボノイドが、肺がんに限らずその他のがんにも効果があるらしい。

フラボノイドの種類には、大豆に含まれるイソフラボン・お茶に含まれるカテキン・ベリー系に含まれるアントシアニンなどがある。

 

お茶に含まれるカテキンは、一日に4mgとることで肺がん予防に効果があり、肺がんの発症リスクを51%抑制するというデータがある。

 

・緑茶一杯(150ml):約10mg

・ヘルシア緑茶(350ml):約540mg

 

ということでこれなら誰しも簡単にクリアできそうだ。 

 

そして、正しい食生活・運動・生活習慣を続けるということは言うまでもない。

がんにかからないことに越したことはないが、万が一罹患してしまった場合でも、完全治癒を目指すために早期発見が何よりも大事。(特殊ながんを除くが)

 

みなさんも、これからは今よりも、自分の身体の変化に敏感になってみよう。

 

ET-KINGいときんさん、また最高な歌を待っています!

 

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