月曜の昼飯時、口の中の左上に激痛が走ったんです。
今までに経験したことのないような痛さで、歯というか上歯茎というか上顎部というか、もはやどこが痛いのか分からないくらいの強い痛みだったのですが、口を動かさずじっとやり過ごしていたら、そのうち気にならなくなっていました。
しかし、年季が入った心配性の自分としましては、どうしても口腔内や上顎部等の悪性新生物の疑いが払拭できず、『またかよ』くらいな感じで鼻で笑う同僚にお願いして、夕方職場でMRIを撮ってもらいました。
その結果、特に大きな異常はなさそうだったのでとりあえず一安心しました。
帰宅後のお楽しみ、毎日恒例の晩酌時にも、念には念を入れて左側にはなるべく負荷をかけずにいました。
しかし、本来は夜が更けるにつれて気分も盛り上がってくるはずなのですが、月曜以降そうはいきませんでした。
『おかしいな、MRIでは特に異常ないのに・・・』
うずくというか重い痛みがズーンというか、とにかく無視できない不快感が口の中にあり続けるのです・・・
『その痛み、絶対歯からきてるんだよ!』
そういえば、職場のみんなが言ってたな。遠くの方で。
『その痛み、絶対歯からきてるんだよ!』
聞こえない。知らない。なんのこと?
『その痛み、絶対歯からきてるんだよ!』
・・・ くそっ!万事休す。
分かっていた。あぁ、分かっていたとも。
MRIなんて大ごとな検査したけど、認めたくなかっただけ。
麻酔をせずに治療を受け、10年以上ごまかしごまかし温めていた虫歯。
これは別に歯科医の腕が悪いとかいうわけではなく、約20年前のトラウマのせいで、先生の助言を断り、治療時の痛みの方を選択していた自分のせいでもあるのだ。
ある意味拷問を受け、声を殺し苦悶の表情をする患者に、医師よりも人間が出てきてしまうのであろう、ある程度で様子を見ましょうってことになる。それの繰り返し。
歯医者なんて別に怖くなかった自分が、筋金入りの歯科恐怖症になった原因は、21の時に治療を受けた時のたった一本の局所麻酔。
それまでは全く平気だったのに、その日は麻酔を受けたとき、“ビリビリっ”と今までに感じたことのない痛みというか感覚があって、おかしいな?と思ったのと同時に、あれよあれよという間に動悸がしだした。それも100mダッシュした後のような尋常じゃない動悸。
『このまま死んでしまうんじゃないだろうか⁉』という不安な気持ちが湧き起こり、慌てて先生にそれを伝えると、一瞬、顔がこわばったのが分かったから、それで余計にビビってしまった。
しかしそれは数分で収まり、気を失うことはなかった。
それ以降、『たまたまだったんだろうな』なんて高をくくっていたら、 やっぱりどこの歯科へ行っても同じことが起きてしまったので、どんどん歯科から足が遠のいてしまったというわけ。
『それは、キシロカインのアレルギーじゃないです!多少の動悸がする人もいます!』
って、自分の経験を説明すると、行くとこ行くとこでこう言われた。
知ってる。分かってる。だって、調べつくしたもの。
でもね、頭の中では理解できているが、どうしても身体は疑心暗鬼を生じてしまうのだよ。
はぁ~あ・・・
明日歯医者を予約した。物凄く勇気を出して。リサーチして。
だってこのままじゃ、唯一の楽しみ飲み食いもできなくなってしまうから。
というか、こんな自分を突き動かすほどの異変が口腔内で起きているといった方が正しい。
はぁ~あ・・・
読者の皆さんで、どなたか自分と似たような歯科恐怖症の方いらっしゃいますか?
ぜひとも、克服法とか良い医院を教えていただきたいものです。