Every day is a new day.

日常から非日常まで知りたいことだらけ!

まだまだ未知の世界【深海】へようこそ

 

われは海の子

海と人間の間には、切っても切り離せない関係がある。

例えば、どんな人間であっても、約10ヶ月間は母親のお腹の中で過ごす。その間、胎児は羊水と呼ばれる水の中で、守られながら成長していくのだが、この羊水のミネラルバランスが、海水と非常によく似ている。

そして、『生物の血液は、もともと海水だった』といわれるほど、海水と血液のミネラルバランスも似ている。

 

しかし、生命とは切っても切り離せない存在であるはずの海の実態を、人類がこれまでに探査できたのは全体のわずか5%未満にすぎないという。

 

f:id:mizuwariwde:20181226213043p:plain

出典:ダ・ヴィンチニュース | 読みたい本がここにある

 

深海

高圧・低温・暗黒と厳しい条件が三拍子そろった【深海】は、地球上最も謎に包まれた場所。水深200mより深い海を深海と呼ぶ。

地球全体の平均水深は約3,800mで、富士山(3776m)とほぼ同じ高さの水深。

f:id:mizuwariwde:20181222204611p:plain

出典:HADEEPとは - 「新世紀を拓く深海科学リーダーシッププログラム」HADEEP

 

海の深さってどうやって測るの?

深さを測るには音響測深機という機械を使う。

これは、船底の装置から海底に向かって音波を出し、その音波が海底にあたって山びこのようにもどってくる時間を測って海の深さを知る方法。

音速は水中で毎秒約1500m。

音波を出して海底にあたって戻ってくるまでに4秒かかったとすると、海底までは2秒だから、この2秒に海の中での音波の速度の1,500mを乗じた3,000mが深さとなる。

さらに、最近では技術が発達して、飛行機からレーザー光線を発射して、海の深さをより広い範囲に、より短時間ではかる事ができるようになった。

 

水深による環境

大陸棚:水深200m以下

一般的に人が遊泳するのは水深約1.5~3m

f:id:mizuwariwde:20181226185450j:plain

 

レジャー目的で潜れるスキューバダイビングの深さは最高40m

f:id:mizuwariwde:20181226185516j:plain

 

テクニカルダイビングで潜れる深さは最高100m

f:id:mizuwariwde:20181226190301p:plain

 

深海:水深200m~1,000m

太陽の光は水深200m程度で海面の0.1%。

 

素潜りの世界最高記録は214m

f:id:mizuwariwde:20181226191139p:plain

f:id:mizuwariwde:20181226191948p:plain

出典:ENGINE Online | 新潮社

オーストリア人のパイロットでもあるハーバート・ニッチさんが2007年6月に打ち立てた大記録で、息継ぎなしで人間が潜れる限界深度。

 

ダイビング潜水深度の世界最高記録は332m

f:id:mizuwariwde:20181226191611p:plain

f:id:mizuwariwde:20181226191739p:plain

出典:ダイビングと海の総合サイト・オーシャナ

エジプト人のアフメド・ガマル・ガブルさんが、2014年9月18日に東京タワー(333m)とほぼ同じ高さの深度を記録した。

 

潜水艦の通常潜航深度は300m~500m

f:id:mizuwariwde:20181226192108j:plain

 

皇帝ペンギンは水深500m

f:id:mizuwariwde:20181226192148j:plain

皇帝ペンギンの潜水能力は鳥類最高で、水深500m以上の深さに20分以上も潜っていられるという。 

 

水深400m~800mにはデメニギスがいる

f:id:mizuwariwde:20181226192541p:plain

頭の中が透けている体長約15cmほどの小さな深海魚。

緑色の丸いものが並んでいるのが眼球で、口の上にある目っぽい穴は鼻孔。

 

水深500m~1,000mには歯が300本ある生物が

f:id:mizuwariwde:20181227212313p:plain

映画『シン・ゴジラ』のモデルになったり、TOKIO出演番組で捕獲されたりと、話題の深海魚ラブカ。卵殻につつまれた小さな胎仔の飼育観察中の成長速度から推定すると、ラブカの妊娠期間は人間の4倍、約3年半近くかかるという。

たまに網にかかっても、鋭い歯が危険なので、漁師さんはいやがってすぐに海に捨ててしまうらしい。

 

斬深層:水深1,000m~3,000m

太陽の光は100兆分の1しか届かず、暗黒の世界。

 

1,300mには生きた化石が

f:id:mizuwariwde:20181224202611p:plain

出典:ミツクリザメ、入りました!|あわしまマリンパーク みんなの日記

駿河湾や相模湾など、水深が1,000 m以上になる深海湾でみられるゴブリンシャーク。

大きく突出した扁平な口先が特徴で、古代のサメの特徴を残しており、生きた化石などとも呼ばれる。

 

水深1,700mには実力だけがものをいう生物が 

f:id:mizuwariwde:20181224202930p:plain

出典:Romanoff-Labo

南ゾウアザラシはえさを求めて、1,700mもの深さを潜水することができる。

ハレムを形成する一夫多妻制で、夏は繁殖のために陸上で過ごすが、冬は海洋で過ごす。頭のオスが100頭以上のメスを従えて、ハレムを形成して生活している。人間でいえば、100人の美女に囲まれているようなものだが、それができるのは、ナンバーワンの実力を持つ1頭のオスだけ。しかし、うらやましいとは言っていられない。その裏では、血だらけになりながらの激しい戦いが繰り広げられている。

 

水深2,000mには海のギャングが

f:id:mizuwariwde:20181226194656p:plain

出典:ホウライエソの顔 - 海人の深深たる海底に向いてー深海の不思議ー

下腹部に発光器が並び、餌の乏しい深海で確実に相手を逃がさないために鋭く、大きくなった歯が特徴のホウライエソ。しかし、時にはその歯が災いし、大きすぎる獲物を捕らえた際に、そのまま飲み込めずに餓死する事もあるという。

 

深海層:水深3,000m~6,000m

水温は1℃~2℃。

300気圧を超える水深。

遊泳する深海魚もほぼ姿を消す。

 

親子の絆は3,000mの深海でも

f:id:mizuwariwde:20181224204151p:plain

出典:おもしろ生物図鑑 | いろんな生物の生態やオモシロ動画を紹介します!

生まれてすぐのわが子が深海に潜ることができるように、母乳を飲ませながら訓練するという。

特徴的な肥大化した頭部は、その長さがオスで体長の3分の1に達する。

エサの巨大なイカを求めて、生涯の3分の2を深海で過ごすといわれているマッコウクジラは、全身の筋肉に酸素を蓄え、肺を空にすることで水圧に耐えられる。

 

水深3,800mには貧しい青年と上流階級の娘の悲恋が…

f:id:mizuwariwde:20181224204501p:plain

出典:Emory Kristof, National Geographic

1912年沈没したタイタニック号、現在は水中文化遺産としてユネスコの保護下におかれている。

 

超深海層:水深6,000m~

海上からは約二時間半かかる。

 

日本の有人潜水調査船しんかい6,500

f:id:mizuwariwde:20181227194915p:plain

水深6,500mの気圧は650気圧とも680気圧ともいわれているが、1cm2に約650kgの力がかかる世界。
 

水深8,178mでは現時点で最も深いところに住む魚がいた

f:id:mizuwariwde:20181224204820p:plain

youtu.be

2017年5月、マリアナ海溝でマリアナスネイルフィッシュ(学名:シュードリパリス・スワイヤーアイ・ゲリンジャー・アンド・リンレイ)がJAMSTECにより撮影された。

 

最深部10,911mにたどり着けたのはたったの3人だけ

f:id:mizuwariwde:20181224205357p:plain

f:id:mizuwariwde:20181224205327p:plain

出典:Mark Thiessen, National Geographic

チャレンジャー海溝(マリアナ海溝の最深部)は1,000気圧を超える水圧。

ジャンボジェット50機分を体にのせているようなレベルだが想像しがたい。

科学が発達し続けている現代でも、チャレンジャー海溝にたどり着けたのはたったの3人で、その内の1人はタイタニック、アバター等の数多くのヒット映画を作った映画監督:ジェームズ・キャメロン氏。そして、単独でたどり着いたのは初!

彼は17歳になるまで本物の海を見た事がなかったが、TV番組のドキュメンタリーを観てから、海やその生物達に非常に興味持つようになった。

 

宇宙と深海

宇宙へ行く人数と、深海へ行った人数、どちらが多い?

結果から言うと、宇宙へ行った人の方が人数が多い。

地上の気圧を1とすれば宇宙は0、行くまでは大変だが、酸素の供給と簡単な加圧で生きていられる。しかし、深海10,000メートルにもなると1平方mに10,000tもの水圧がかかる。深海に興味を持つ人が少ないというのも要因であろうが、リスクとコストを考えたら宇宙のほうがはるかに容易らしい。

 

深海にまで…

水深約7,800m~10,000mの場所で、ロボット潜水艇で捕獲した甲殻類から汚染物質の量を測った結果、中国国内でも汚染がひどいとされている地域の水で生息しているカニの、約50倍の汚染物質が発見された。これまで深い海溝は、人類による影響が出にくい場所と考えられていたが、今までの環境汚染がとうとう、最深部にまで影響を与え始めているのである。

 

深海大国日本

日本の領土面積は世界第61位。しかし、領海と排他的経済水域を合計した面積では世界第6位である。しかも、水深5,000mより深い海域の体積は、世界第一位!というデータもある。

 

生命のみなもと

f:id:mizuwariwde:20181227221000j:plain

海は太陽の熱を吸収して、それを複雑な潮流系を通じて地球全体に分配する巨大なソーラーパネルのような重要な役割を果たしている。また、微小な植物プランクトンは地球上の酸素の約半分を生成し、海の生態系を支える基盤となっていて、世界人口の約10%の生活を直接支える水産資源など、より大きな生物種の生存にとっても欠かせないものだ。

 

自分は幼いころから魚が大好きで、買ってもらった図鑑を飽きずに眺めていた記憶がある。大人になった今でもその気持ちは薄れることなく、特に深海生物に興味津々。

未知の世界の新しい発見には心躍る自分だが、その反面、乱獲・汚染・不法侵入etc.海にまつわる良くないニュースの方が多い昨今、複雑な胸中である。

 

そして自分としては、生命に様々な恩恵をもたらしてくれる海に、少しでも多くの皆さんが関心を持ってくれたらうれしいなと、この記事を書いた次第である。

 

© 2016 mizuwariwde